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坂本 文徳; 鈴木 英治*; 藤井 有起*
Journal of Biochemical and Biophysical Methods, 52(2), p.97 - 109, 2002/07
被引用回数:4 パーセンタイル:9.66(Biochemical Research Methods)遺伝子研究の隆盛により、多くの分野でDNA本体を対象とした研究が広範に行われている。その一つとして、研究者の希望する位置でDNAを切断させる研究が行われているが、DNAの切断位置の特定はマキサム-ギルバート法を利用する手法が一般的だった。しかし、この手法は煩雑な点や不確実な点が多く、あまり利用されてこなかった。そこで、それらの問題点を改善する目的で、Pとサンガー法を利用した特定法を新規に開発した。この新規手法は、切断されたDNAをPにより標識し、ポリアガロースゲル電気泳動後に、基準となる塩基配列とそのP標識DNAを比較することにより切断位置を特定するものである。この手法により、DNA切断位置の特定が、従来の方法に比べ、より簡便でより確実性が増し、また特定に要する時間は半分程度に短縮できた。さらに、この特定法の有効性を示すため、DNA切断物質の一種であるCu(II)TACH錯体によるDNAの切断位置を特定した。